2013年07月08日

本の紹介

blog_ueda.jpg

こんにちは。生産部の上田です。
今回は本の紹介をしたいと思います。


●辻村深月『ツナグ』新潮社(2010)

0708_ueda_1.jpg

昨年10月に映画が公開されたため、ご存知の方も多いかもしれませんね。

男子高校生の歩美(あゆみ)が、生者と死者を一夜だけ再会させる
「使者(ツナグ)」という仕事を祖母から引き継ぐことになります。
憧れの人・家族・親友・恋人など、大切な人が亡くなった人たちが
「使者」へ依頼をし、死者と再会していくという短編4編が収録されています。

4編の中でも特におすすめしたい話が、
二人の女子高生の関係を描いた「親友の心得」という話。
ある冬の日、御園(みその)が交通事故で亡くなってしまい、
親友の嵐(あらし)は彼女と再会するために、
噂で聞いた「使者」の存在を必死に調べ、ようやく歩美の元へ辿り着きます。

しかし、「親友に最後のお別れを言いたい」という気持ちではないのが重要です。
読んでいけばわかるのですが、二人の間にある確執が生まれ、
嵐は純粋な気持ちから「使者」への依頼をするわけではなく、
とある「裏切り」を隠蔽するために御園と再会しようとします。

それまで祖母に
「使者(ツナグ)って、いい仕事だね」と言ってきた歩美の考えが、
悲壮な嵐の姿を見て一気に揺れ動き、
「死者に会ったつもりになって満足するのは、生者のエゴじゃないか?」と思い始める。

読んでいるこちら側の気持ちも、かなり重くなり考えさせられるので、
そういった意味でも、ただ「死者と会えて最後のお別れを言える心温まる物語」に
終始していないのが、この作品の魅力だと思います。

0708_ueda_2.jpg

映画版では、4編中の3編が映画化された形ですが、
「親友の心得」はもちろん収録されています。
嵐役の演技も、最も悲壮に絶叫するシーンはかなり真に迫るものがあり、
久々に、完全にその世界観へと引き込まれる映画に出会えた、と思いました。

私の場合は、実は映画を観てから原作を買ったのですが、
原作が好きな人、映画版が好きな人、どちらの期待も裏切らない珍しい作品だと思います。
気になった方は是非ご覧になってみてください!

映画「ツナグ」公式サイト
http://www.tsunagu-movie.net/index.html




この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/70542125

この記事へのトラックバック